争いの絶えない国

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少女はその世界では名前が売れていた。 少女がフリーになると聞き何人かがスカウトに来た。 少女は生きていくために仕事を請け負うようになっていた。 泥沼の中で、もがきながら少女は人を殺し続けた。 15歳でリーダー格になり大人を顎で使うようになった。 大人に近づくに連れ少女の中の疑問が大きくなって行った。 何のために戦うのかわからなくなっていた。 ある晩、久しぶりに風呂に入ってひび割れた鏡に自分を映した。 普段は服で覆われている肌は他の者とは色が違うと思った。 (顔は同じ色なのに……) 少女の記憶に家族はなかった。 母親も知らない。 父親だと思っていた男は爆撃で死んだが、どうやら自分の親ではないらしいと後で知り合った売春婦に聞いた。 民のために戦っていたはずがいつからか自分自身のために動くようになっていた。 17歳の時、それまで何度となく行われていた停戦らしきものに便乗する形で少女は生まれた国を捨てた。
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