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闇に紛れて国境を越えた。
隣は少女の国よりは平和だった。
拳銃以外何も持たない少女は飢えと疲労が極限まで来ていた。
白い大きな建物の前で崩れるように倒れて気を失った。
気がつくと少女はベッドで横になっていた。
生まれて初めて見た白いシーツだった。
ベッドの側に上品な老人が立っていた。
少女はそれから3日の間今まで経験した事のない安全で衛生的な生活を送った。
食中毒の心配をしなくて済む食事……泥の混じってない風呂……手の届く所に拳銃やナイフがない時間……
老人は改めて自己紹介を始めた。
少女が知らない国の名前を出した。
会社を経営しながら大学で勉強を教えていると言われたが理解出来なかった。
それから老人は興味深い事を言った。
少女も老人と同じ国の人間であろうと告げた。
まさかそんなはずはないと少女は否定したが、老人は少女の瞳と髪、それから肌を見ればわかると譲らなかった。
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