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「トオルくん、トオルくん」
おばさんに呼ばれ、トオルは立ち上がった。
「もうすぐお昼ご飯だからね、ひととおり遊んだら帰ってくるんだよ?」
トオルがうなずくと、おばさんはニコォっと笑って走って行った。
そんな事だけ言いに来たのか…?トオルはおばさんの背中をいぶかしげに見ていたが、おばさんは携帯電話を持っていないのだ。メールで済むような事も、わざわざトオルを探しに来て伝えに来てくれる。
時計(携帯)くらい持ってるし、時間になったら勝手に帰るのに…
トオルはおばさんが好きじゃない。嫌いじゃないけど好きじゃない。
きっとあの人だって同じ、化け物に怯える人なのだから。
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