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勇夫は、青ざめた顔で車から降り、車に激突した人の様子を見に行った。
見ると、学生服を着た女の子が、頭から大量の血を流して倒れていた。
「おっ。おい、大丈夫か!?」
その場にしゃがんで呼び掛けても、全く応答しない。
(きゅっ、救急車!)
勇夫はポケットから携帯電話を取り出し119番通報をした。
トゥルルルー トゥルルルー
〈はい。119番です。火事ですか?救急ですか?〉
「もしもし!私、車で人を引いてしまいました!頭からたくさん血が出てて、意識が全然ないんです。
お願いします!早く来てください!」
勇夫は今の状況をできるだけ詳しく言おうとしたが、頭がパニックを起こしていて、うまく言えない。
管制官は、できるだけ落ち着くように指示した。
〈とにかく落ち着いてください。
今の場所は?〉
「えっと、場所は・・・★*☆交差点です」
〈分かりました。すぐに救急車を向かわせます〉
電話が切れると、勇夫はその場に座り込んでしまった。
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