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「望美。今日一緒に帰ろう。ついでにお家教えてよ。今度遊びに行くから」
最初に話しかけてきた仁美が誘う。 その誘いに少し戸惑ったが、別に断る理由もないので、とりあえずのった。
帰り道、仁美は休み時間にできなかった質問をした。
「ねぇ。どこに引っ越してきたの?前はどこの学校にいたの?」
また質問されたと思いつつも、とりあえず答えた。
「前は桜ヶ丘学園に行ってたよ。 今の家はここからあまり離れてないところ。
いつでも遊びに来てね」
「桜ヶ丘学園!!?」
仁美は目を見開いた。桜ヶ丘学園と言ったら、超が付くほどのお嬢様学校で、すごく偏差値が高いことで有名。
それがいくら父親の仕事の都合だと言っても、うちみたいな凡人の行く高校を選ぶなんて。
「何でそんな学校行ってたのに、うちみたいな学校選んだの?もっと良い学校あったでしょう?」
「うん。そうなんだけどさ、あんまりその学校が合ってなかったというか、なんというか……」
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