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「お父さん帰ってきたみたいね。 望美、お父さんを出迎えてあげて」
「はぁーい」
「ただいまぁ。
望美、どうだった?」
父の克幸は望美に鞄を預けながら聞いた。
「お帰りなさい。 新しい友達ができたよ」
克幸の額から汗がにじみ出し、走って帰ってきたのか、息切れもしている。
どれだけ心配だったかがよく分かった。
「そうか!良かったじゃないか」
克幸と望美は台所に行き、夕食をとった。
いつもよりも会話が弾む。
どこにでもある家族の風景。
それが一瞬の出来事を境に、その光景が夢のように感じることになるとは、まだ知るよしもなかった。
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