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相変わらず老若男女さまざまだ。
「…で?」
『はい?』
「だから、あなたは何が言いたいの?」
咲羅はそばの青年をじっと見詰めた。
青年は困惑した顔で咲羅を見つめる。
「この世界にこんな人たちがたくさんいるのはわかったわ。で、あんたは私に何をさせたいの?」
桜呂以外の精霊たちは消えていった。
桜呂はどこか悲しげな顔をしている。
「私に関係ないことならもう消えて頂戴。私は疲れたのよ」
咲羅は桜呂に背を向けた。
桜呂は音もなく姿を消した。
「なにがしたいのよ」
咲羅は小さくつぶやくと同時にベッドにもぐった。
掛け布団を頭からかぶって目を閉じる。
もう、何もかも忘れてしまえたら楽だったのだろう。
だが、咲羅の脳裏から桜呂の顔は消えなかった。
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