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「今日は彼氏と一緒じゃないんだね」
紅の言葉に咲羅はうつむいた。
そんな咲羅に気づかずに紅は言葉を続ける。
「もぅ、世界一かわいい咲羅が告白したんだからずっとそばにいればいいのにね!」
「…うん…」
「どうかした?」
紅は心配そうに咲羅をみた。
咲羅は力なく首をふる。
「あっ!」
ふいに紅が大声をあげた。
何事かと思って紅のみている方に目をやった咲羅はショックを受けた。
「あいつ、咲羅がいるのに…っ」
昨日別れた彼が今日は咲羅ではない別の女子と一緒にいるのだ。
咲羅は思わず目をそらす。
「文句言ってやる」
「紅!いいよ…行かなくて」
「なんで?悔しくないの」
咲羅は首を振った。
じゃまをしてはいけないのだ。
「昨日別れたの…だから、もういい…」
「咲羅…」
紅は泣きそうな顔をしている咲羅を強く抱きしめた。
「無理しないで泣いちゃいなよ」
「うん…」
咲羅は声を上げずに紅の腕の中で泣いた。
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