花開き、花香り

4/5
前へ
/36ページ
次へ
優しい桜の香りは咲羅の胸を締め付けていた。 知らずうちに涙が溢れ出していく。 「…桜呂…」 『いなくなりません、絶対に……貴女を一人にはしませんから』 強い口調で宣言する桜呂を見つめていた咲羅だったが、やがてうなずいた。 「信じてるよ」 『はい』 ところが二人の約束が守られることはなかった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加