5人が本棚に入れています
本棚に追加
青年は咲羅に近づいていく。
青年が近づくにつれほかの精霊達は離れていった。
『貴女はごくまれにみる力の持ち主のようですね』
『桜の主よ、どうだろう。久々に外にでたのだ』
『遊びたいな』
精霊たちの言葉を聞く青年はうなずいた。
青年がうなずけば精霊は喜んでその場から姿を消した。
残ったのは咲羅と青年のみである。
「じゃ、私は帰るから」
そう告げて咲羅は帰ろうとした。
もうこんな場所に用なないのだ。
早く帰ってベッドで眠りたい。
いやな記憶など寝て忘れるに限るのだ。
『私もお供します』
「はぁっ?!」
思わず咲羅は振り向いてしまった。
青年はにこにこと笑いながら咲羅を見つめている。
『貴女に興味を覚えました。かまいませんか?』
「いやよ」
咲羅はそう吐き捨てれば、タッと駆けだした。
青年を振り切るためである。
.
最初のコメントを投稿しよう!