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「りんちゃんもう3年生でしょう。カレシ、とかできたの?」 『カレシ』とおばあちゃんが言ったのが少しおかしかった。けど私はこういう質問はあんまり好きじゃない。中学生になれば『カレシ』がいて当たり前だなんて。学校でもみかちゃん達と集まるといつも『カレシ』の話題でもちきり。私はそもそも多分あんまりモテないのもあるけど、告白されたこともなければ、もちろん告白したことも、ない。でも中学生なんかに『レンアイ』は早いと私は思ってるから別にいいと思っている。この前小学生の弟が私に彼女できたんだ。俺、て自慢げに言ってきた時はさすがにびっくりして、私少し遅れてるのかなとは思ってしまったんではあるけど。 だから私が「いないよ」と言うと、 「あら、ひどいわねぇ。私だってりんちゃんくらいの時はカレシの2人や3人いたわよ」 なんておばあちゃんは言う。たしかにおばあちゃんは町内の老人会でも綺麗なほうだと思うけど、だからって。
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