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おばあちゃんと話してるといつも50歳くらい違う年の差を忘れてしまう事が、たまにある。例えば今みたいに。『カレシ』の事なんか、お母さんにも聞かれないのに。しかも自分がどれだけモテたかなんか孫に自慢するおばあちゃんも、なかなかいないと私は思う。
「モテたんだね」
「そりゃもてもてよ。私可愛いかったから。今は皺くちゃだけど」
その時丁度近所の柏木のおばあちゃんが通って、おばあちゃんは挨拶をした。私も軽く頭を下げて、おばあちゃんの後ろで居心地悪く立った。おばあちゃんは誰とでも話し込んでしまう。と言うか相手の人は多分帰りたいんだと思うけど。おばあちゃんが一方的にとめる。
皺くちゃだから。私はおばあちゃん何気なく言った言葉が少し心に刺さって考える。年をとった人がこういうちょっとじぎゃくてきな事を言うと少し哀しい気持ちになる。
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