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自分の姿に驚くことなく、冷や汗のことを気にするルーフに。
ルーフの顔を見たくなったリュウセイは、恐る恐る顔をあげた。
だがそこにはいつもの、目がパッチリしていて二重で、小顔で髪の長い、スカートを履いたルーフが平然と立っていた。
とりあえずリュウセイは今一番聞きたいことをルーフに聞いた。
「なぁ、なんでこの体に驚かないんだ?」
「だって、もう見慣れてるもん。“テレビとか新聞で”
そんなことよりそこにオレンジジュースこぼれてるわよ」
ルーフはリビングに置いてあった台布巾を手に取り、棚の前にこぼれているオレンジジュースを拭き始めた。
リュウセイは棚の中に隠れているノムを忘れ、ルーフの言葉が気になったのか、テレビの電源をつけた。すると夕方のニュースで、キャスターが事件についての情報を伝えていた。
【えぇ、速報です。さきほど夕方6時頃、またもや発砲事件が発生しました。
現場はヴィン・クロードの小さなカラオケ店の辺りです。今のところ被害者は見つかっていませんが、3回連続して銃声が鳴り響いた模様です。
最近、もっとも事件の少ない国として知られるここサン・ライズ・アイランドで、このような事件が多発しています。
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