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またそれと同時に、残りの2人にも針がちくっと刺さる感覚が走った。
すると1分もしないうちに、ガッチリした青年の瞳が紫がかっていき、突然樹海の方向に歩き出した。
「おいおい、いきなりどこ行くんだよゴウ!?」
リュウセイはガッチリした青年をゴウと呼び、突然樹海のほうへ歩きだしたゴウを呼び止めようとするが、ゴウは聞く耳も持たずにフラフラと歩いていった。
「変なやつ。どう思うノム?」
リュウセイは残りの1人をノムと呼び、ノムのほうを振り向くとそこにノムの姿が見当たらない。
「あれ? おい! ノム!? どこだよ!? お前までどこ行った?」
リュウセイが辺りを見回しても、ノムの姿は見当たらない。
リュウセイはしかたなくワゴン車に乗ろうと、1歩足を踏み出した。
「いってっ。なにしてんだボケー!」
踏み出した足で、何かを蹴る感覚がした瞬間に足元で怒鳴り声がした。
リュウセイはとっさに踏み出した足を上げ、自分の足元を確認した。するとそこには小さな人間が、リュウセイを見上げて立っていた。
「てめぇなにすんだよ! てか、いつからそんな身長でかくなった!?」
「ちょっとまてよ。お前なんだ? 小人みてぇな格好して」
「なに言ってる!? 俺はノムだろうが!」
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