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その小さな人間は、赤い尖がり帽をかぶり、木の靴を履いている。
しかもそいつは、自分はノムだと言い張る。
それを確認するかのように、リュウセイは3つの質問をあげた。
「わかった。じゃぁゴウの女性のタイプは?」
「アラフォー」
「じゃぁルーフの今日のパンツの色は?」
「赤」
「じゃぁ俺とゴウとノムの小さい頃の夢は?」
「マフィアのボス」
「ノムだ!! とりあえず車に乗れ!
なんでそんな姿になったかしらねぇが、とにかくこんな姿で家に送るわけには行かねぇ。
一端俺のアパートに行くぞ!」
「わかった。頼む」
リュウセイは小さくなったノムを抱え、ワゴン車に乗って自宅へ向かった。
車内でノムはバックミラーを見て腰を抜かした。
「な、なんだよこれ……まるで4大精霊の土の精霊……“ノーム”じゃねぇか。
俺はいったいどうなるんだ? なぁリュウセイ……」
「なんだよノームって? お前じゃねぇか。ノム……ノーム……ノム……ほら、なんかの運命? ハハハ。まぁ気にスンナや!」
「……」
「おい! なに黙ってんだよノム」
「あ……」
ノムはバックミラーをそっと指さした。するとリュウセイはその指先のバックミラーをふと目に入れた。
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