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竹町駅から電車に乗り、家に着くと11時を回っているのに気付く。
中学生の頃は、友達と遊んだ日でさえ遅くとも9時には帰っていた。
1分でも過ぎれば頭の堅い父親から電話が鬼のようにかかってきたものだが、今日は違う。
そんな些細な事で、ものすごく背伸びした気になれた。
翌日の昼休み、いつものメンバーで弁当を食べていると、携帯が鳴った。
…♪【戸田まりな】
【西谷ちゃんに男紹介してあげるよ😃絶対気に入るから❤どう?】
私は、そんなにかわいそうな女に見えるのだろうか…
いや、それよりも決して美しいとは言えない、どちらかと言えば男とは縁のなさそうな戸田さんの紹介する男とはどんななんだろう。
【嬉しぃです、ぜひ♥】
そう送信すると、5分も経たないうちに見知らぬアドレスからメールが届いた。
…♪
【まりなからメアド教えてもらったユウキだよ⤴わかる⁉】
いつからスタンバイしてたのかってくらい早い返信。
私も負けず、
【初めてまして、西谷にしや珠美たまみです🐱ゎかりますょ🎵】
こうして、戸田さんのおかげで私たちは毎日メールをする仲になった。
彩花とカラオケに行く時でも、未夏子と帰る時でも、毎日毎日メールを続けた。
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