turning point

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お互いの顔も知らなかった私たちは、数日後プリクラで顔画像を送る事になった。 そういう時は決まって、彩花と渋矢のゲーセンに行く。 2009年現在はヨシ○トの∞ホールになっているため潰れてしまったのだが、当時の私たちにとっては青春の場だった。 ここは、広いプリクラコーナーの中に会員限定の無理ソフトドリンクバーがあり、メイクルーム、コスプレの貸し出しなど充実した設備が整っているのだ。 プリクラを1回とる度に会員カードにスタンプが一つ押され、カード1枚分のスタンプが貯まるとキャラクターグッズやブランドのアイテムが貰えるので、それが最大の目当てと言ってもいいかもしれない。 『てか、そのユウキって人の顔は大丈夫なわけ?終わってる系だったら門限4時って事でスグ帰るからね!4時!』 そんなめちゃくちゃな事を、メイクルームで真面目な顔をして言う彩花。 『…門限4時とか、ふざけすぎっしょ!戸田さんとの今後の仲にヒビが入るよ~』 私は必死だった。 『だって珠美、もう竹町って所行かなくていいんじゃないの?戸田さんて人と会う機会なくない?』 …はっとした! そうだった。 戸田さんとはたまにメールしているけど、研修期間が終了し、すでに大型商業施設内に本配属されたのだ。 あんな田舎、もう用もないので行く事はない。
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