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『まじかー、てかさ、珠美バイトしちゃうんだ??どこで働くの?なーんで言ってくれないの~…』 そう、彩花は親友なのにも関わらずバイトを始める事すら伝えていなかったんだ。 だからこう食い付いてくるのも無理ない。 けれど、親友だからこそ言いたくなかった。 なんたってさ、寿司屋だから。 同じクラスの友達は、コンビニや、まっく、みすど、ぴざーらとか、高校生って感じのかわいらしい所で働いていた。 私…一応都内の23区に住んいでるし、家の周りにソコしかないって訳ではないのに。 『寿司屋』って単語を口にするのにこんなにも躊躇する自分を客観視すると、じゃあ何で好き好んでソコの面接受けたんだと後悔する。 何でかって言えば…近所に新しい商業施設が出来そこに位置し、高校生時給900円で募集していたからってだけの事。 当然、続くかなんて分からなかった。 『寿司屋…だ…よ…時給良かったから選んだの。』 やっとのことで出た言葉だった。 もう二度とバイトの話はしたくないと思った。
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