第二章~日常×非日常~

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おやっさんはポケットからタバコを取り出し、火をつけながら 『腕に金銀ダイヤでも詰まってるのかねぇ』 『さばいてみたらわかりますよ』 『…………』 この厨房は、角に出入り口がある正方形の部屋になっている。 裏口は出入り口と反対の角についている。 部屋の真ん中にユウの腰程度の高さの長方形の机があり、それを取り囲む様に一メートル程の通路を挟んでシンクやらコンロやらの台がある。 初めは白の壁紙が貼られて清潔感が漂うキッチンになっていたそうだが、今ではその壁紙も油で汚く黄ばんでいる。 2人は中心にある綺麗なステンレスの台の上を見る。 そこには黒のタートルネックと茶色いショートパンツを着ていて、ストレートの腰まである黒髪を広げた傷だらけの少女が寝ていた。 包帯でグルグル巻きにされているため今は直接見ることはできないが、何故か、彼女の右の二の腕には怪我が集中している。 『……やめろよ、笑えねぇ冗談だ。』 、
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