第三章~目覚め×出会い~

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ユウには自覚があるのだ。 【自分が出来ること】の範囲はかなり広いということに。 おやっさんはゾッとした。 が、それはユウに対する恐怖ではなかった。 自覚があるからこそ、ユウは絶対に一線を越えることは無いだろう。 小さな頃からユウを知っているおやっさんにはわかる。 彼は人を不用意に傷つける事はしない、力があるからこそ見える世界があり、それがユウの心を形作っているのだとおやっさんは思ったからだ。 恐ろしいのは、本当の神の力。 この力を使いこなせる、一線をいとも簡単に越えられる人物だ。 おやっさんは何かを言おうとしたが、途中でやめ、話を切り替える事にした。 『警察はわかったけどよ、救急車はどうするんだ。体中傷だらけだったが、お前が全部治せる傷なのか?』 はい、とユウは答える。 『問題ないです。見た限り俺の手より大きな傷もないし、感染症等の心配も無いみたいです』 この程度なら俺の左手を使えば救急車呼ぶより早く治せますよと、ユウは笑顔で言う。 ユウは台の上を見た。 少女はいまだスヤスヤと寝息をたてている。
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