一話

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生前、良い行いをして人生の幕を閉じれば天界へ行き、悪い行いをすれば魔界へと連れていかれる。 そしてその天界では‥‥ ――――― 「光麒、腹が減った」 「いけませんテンリ様。あと一時間で食事の時間ですよ」 テンリと光麒。 彼らはパートナーであり親友であり、また主従の関係だった。 テンリは天界に住む竜の一族で、光麒は麒麟である。 天界での竜は神に最も近い存在とされて高位であり、麒麟は神獣の頂点にたつ存在である。 「はあ?あと一時間?なっがいなぁ」 「そうでもありませんよ。一時間なんて直ぐにたってしまいますから」 そう言う光麒を隅でみて、テンリは小さな溜め息を零した。 「では食事の時間がくるまで外に出ませんか?久しぶりに空中散歩でも」 「そうだな。実を言うと肩が凝っていて疲れていたんだ。人型はどうも疲れる」 竜や麒麟のような動物の形をしていると日常生活で支障をきたすため普段は人型となり生活している。
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