二話

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広い部屋でカチャカチャと食器と食器が触れ合う音が鳴る。 長いテーブルにはテンリの家族が食事をしていた。 光麒はテンリの後ろに立ち3人が食事していくのを見守っている。 「テンリ、明日地上界に行きなさい」 突然テンリの父親、マラウェンがそう言った。 「は?なんで?」 「お前ももうすぐで成人だ。それまでに地上界を実際に見て、自然を知ることが必要となるからだ」 「ふーん…期間は?」 「…3年間、地上界にある学校に通って貰う」 「え゛っ!?学校!?」 「あぁ、安心しろ。女のいない学校を選んでおいたから掟には問題ない筈だ」 マラウェンが言うには既に決定事項で手続きも済ませているようだった。 テンリはガクッとうなだれた。 「3年間は長くね?」 「テンリ、私もお前くらいの年には学校に通っていたぞ」 「3年間?」 「あぁ、3年間」
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