第1章 「アフリカでの出来事」

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彼のおかげて、この村には安全な井戸ができあがった。その彼のおこないは、日本でも大々的に報道された。彼は、皆からすばらしいと、讃えられた。 さて、彼のおかげで、この村は救われた、かに思えるが、果たして本当にそうだろうか? この村は長年、自給自足で歴史を作ってきた。 その村の中に、違う文明の力が入り込んだ。 村には村の生活がある。 食べ物、服、家、言葉、すべて村人は自分達でつくりあげてきた。 そこに、簡単に他の地域の人間が井戸を作るのは、彼らの文化を壊すことになる。私たちにその文化を変える資格はない。 では、この例は正しかったのであろうか。 あなたは、どう感じますか? 世界はひとつ。 だから、井戸を作って命を助けた彼の行いはすばらしいと思いますか? それとも、自分達の文明は自分達の力で開いていかないといけない。井戸にはたくさんの汚染物質が入っているが、自分達で考え自分達で何とかしないといけない。それが文明だから。 答えはありません。 それは、人は考え方が皆、違うからです。 そう考えると、自分の考えも、すべてが正解とはいえないはずです。 あなたの考えは本当に正しいですか?
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