417人が本棚に入れています
本棚に追加
コテージに着くと、やはり格安だった為、単なる掘っ建て小屋で、便所は付いていなかった。
その日の釣果はそこそこで、持参した食材と釣った魚で飯を食い、あまった魚を肴に酒を飲み始めた。
ビールの利尿作用が聞き始め、Uの仲間4人は便所に行き始めた。
そして、便所から戻るたび同じ事を口にする。
「あの便所こえーよ。マジ出ても不思議じゃねぇー。」
Uは、4人の胆の小ささにゲラゲラ笑っていた。
当のUは、何故かその日は便所が遠く、もよおさなかった。
酒も入り、悪乗りしたUは、
「そんじゃー、そろそろ怪談話でも始めるか!」
と言い出した。
仲間の4人は、慌てて止める。しかし、Uはそんな事お構いなしで、一方的に話し始めた。
Uが話し終わると、仲間の4人も観念したのか、それとも酔っていた為か、怪談話を順番に話し始めた。
一通り怪談話も終わると、「そろそろ寝るか。」という事になった。
ビビりまくっている4人は、床に着く前に「もう、あの便所には行かない。」とコテージ
の周りの草叢で立ちションをした。
しかしUは、寝る前も尿意は無く、結局1回も便所に行かずに寝る事となった。
深夜Uは、ふと目を覚ました。
起きた瞬間、半端ない尿意が襲ってきた。膀胱が悲鳴をあげている。
「やばい、洩れる!」と布団から飛び起きると、Uはコテージを飛び出し、洩らさないように内股小走りで共同便所へ向かった。
便所に飛び込み、引き戸を閉めた。
さすがに、これは恐い。
裸電球の明かりは揺れ、壁はシミだらけでシミと木目は人の顔の様に見える。
管理所のオヤジが言っていた事をUは思い出し、和式の便器をにらむ。
しかし、Uにはもう余裕がない。
一気にジャージとパンツを膝まで下ろし、膀胱に貯まっていた尿を排泄した。
最初のコメントを投稿しよう!