憑き護

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あれは忘れもしない小学五年の夏休み前のことだ。 古い学校でな、創立88年って位のボロボロの学校だったんだ。 一応改築やらなんやらで生徒の手の届くような場所はコンクリートで塗り固められていたが天井付近や天井は木造だった。 今思うと変な感じだったよ。 んで、これまた年代物なプールがあるんだが、事件はそこで起こった。 いや、もう起こってたんだ。 今思えば始めに起きてたのが、プールで泳いだりなんだりとしていると足を捕まれる人が何人か出たんだ。 まあ怪談の類じゃよくある話だし、俺がいたクラスでそういう被害にあったって言う奴もお調子者な奴やちょっと意識過剰な奴とかだった。 先生も「フザけてるせいでいたずらされるんだろう」と笑い飛ばしたりしていた。 はっきりとした形として現れたのが、俺のクラスが、プール授業の日だった。 その年に入ったばかりの新米の女のA先生(20歳かそこらで美人だった)が授業見学のような感じで来ていた。 授業は普通に行われて自由時間になったので担任やその見学に来てたA先生もプールに入ってみんなと遊んでいた。 突然A先生が溺れた。 正確には足がプール横にある溝に挟まって浮かんでこれなくなったらしい。 俺は近くにいなかったのでその場は見合わせていないが、担任や、近くにいた男子でなんとか足を溝からはずして、プールの上に引き上げたらしい。
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