始まりは西涼から

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時は2世紀末―――― 高祖 劉邦が築いた国『漢』 それは長い年月の間に腐敗し、崩壊を始めていた。 佞智な官宦たちが権力を振るい政治を乱し、それを諫める忠臣達の大半は野へ追いやられた。 それに民は失望し、多くの者達が不満を募らせていった。 そして遂には、中国史上最大の反乱と言われた『黄巾の乱』が勃発。 朝廷はこれを一年がかりで鎮圧するも、もはやその権威は地に墜ち、群雄割拠の時代をむかえる事となる―――― そしてここは中国西部に位置する涼州。 漢の都 洛陽より遠く離れた場所である。 他の国との国境と近いため多数の民族が入り交じっている。 そのためか混血の者達がとても多く、あらゆる文化が入ってくる。 それと同時に、考えの多さゆえ頻繁に戦が起こる、非常に不安定な地域である。  朝廷から役人が派遣されてから穏やかだったこの地にも、時代の波が押し寄せた。 都より離れているのを良い事に、多くの派閥が朝廷とは違う独立勢力を作っていた………
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