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「はっはは! すまんな。
それより……」
急に馬桜が真剣な顔になる。
「? 何ですか?」
「その、なんだ……
あー…おれの腹心[フクシン]になってくれ。」
二人は驚いた。
いきなりただの一兵卒に自分の腹心、つまり自分の直属の部下になれと言うのだ。
驚かないほうがおかしい。
「いきなり腹心…ですか。いったい何故?」
趙訝が戸惑いながら問う。
「お前らは一時的にとは言え、おれを追い詰めた。
そんな奴、今までで父上か昔会った奴しかいない。そんな奴を一兵卒に留めておくのは勿体ない。
それに、お前らはまだまだ強くなれる。おれはお前らをこの手で育ててみたい。
それだけだ。」
馬桜は笑顔でそう答えた。
目は澄んで、真直ぐな気持ちが感じられた。
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