156人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうですか…本当に俺らなんかでいいんですか?」
高堅は反問する。
「お前らじゃないといけないんだ。だから頼む。」
馬桜は二人に頭を下げる。
主従関係の厳しかったこの時代に、上の立場の者が下の者に頭を下げるなど恐れ多い事とされていた。
二人はまた驚き顔を見合わせる。
二人は頷き合うと、笑顔で馬桜へ答えた。
「分かりました。この俺、高 浪燥は馬桜様を主とし、この武をあなたのために振るいましょう。」
馬桜の前に高堅は跪く。
「私も、この命尽きるまであなたについて行きましょう。」
趙訝もまた全く同じ形に跪き、二人そろって臣下の礼を施した。
「あぁ! よろしく頼むぜ。高堅、趙訝!」
馬桜は二人の手を取り立ち上がらせ、肩を叩いた。
「「はっ!」」
彼らは思った…
――…たとえ他の者が金銀財宝を積み重ねようと、この方を裏切りはしない…――
と。
最初のコメントを投稿しよう!