馬桜の日常

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パチパチ…と疎[マバ]らに三人の周りから拍手が聞こえ始めた。 それはやがて大きくなり、辺りを包み込んだ。 「これは…。」 辺りを見渡すと、周りは多くの兵士に囲まれており、その兵士ら全員が彼らに拍手を送っていた。 「良かったな!」 「腹心に恥じない働きをしろよ!」 どうやら彼らが戦っているのを見物していたらしい、座っている者もいた。 「皆さん…ありがたい拍手ですね。」 趙訝は少し照れながら言った。 「あぁ、そうだな。俺たちは恵まれている。」 同意するように頷き答える高堅。 二人は大いに笑い、そしてそれらの声援に応えるように拳を突き上げた。 たちまちに歓声があがった。 が、一人だけその場の空気と違う者がいた…………。
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