156人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
「だから昔から言っとるのだ、"お前は人の三倍遅いから人の三倍早くしろ"と。
昔から少しも成長しとらんな。」
再び楊諮を詰るような言葉を吐く費筆。
そう言う間に三つの書類の確認を終える。
「えぇい、また言うか!」
いつもの如く喧嘩が起こりそうになり、すかさず袁涯が仲立ちに入る。
「楊諮、口を動かす暇[イトマ]があるならさっさと仕事をしろ。終わるものも終わらんぞ。」
「ぐ…後で覚えておれよ費筆…。」
第三者の袁涯にそんな事を言われたらどうしようも無い。仕方なく仕事を続ける楊諮だった。
しばらくして、
「ふぅ…皆少し休息しないか?
今日一日で終わる量ではない。少し気晴らしに茶を飲もうではないか。」
馬景がこう提案した。
確かに、この量――未だに机の半分を占めている――を一日で片付けるのは至難の技である。
全員が「そうしましょう。」と異口同音に唱えた。
最初のコメントを投稿しよう!