四十路たちの日常

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「これでよし…と。殿、終わりました。」 「いつもすまんな楽典。 戻って良いぞ。」 「はっ、では…。」 楽典は拳と手を合わせて礼をし、部屋を出ようとした。 「あ、やはり待ってくれ。」 しかし、馬景は彼を急に引き止めた。 「いかが致しました?」 楽典が振り返り、馬景は筆を置いて彼に言った。 「今日まだ理を見ておらん。 恐らく研究室にいるとは思うが…少し様子を見て来てはくれないか?」 意外な頼みに楽典は目を丸くしていた。 「はぁ…分かりました。では行って参ります。」 楽典はまた同じ礼をして部屋を出る。 「さて、行くとしますか。」 そして、馬理の研究室へ向かい歩きだした。
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