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「これでよし…と。殿、終わりました。」
「いつもすまんな楽典。
戻って良いぞ。」
「はっ、では…。」
楽典は拳と手を合わせて礼をし、部屋を出ようとした。
「あ、やはり待ってくれ。」
しかし、馬景は彼を急に引き止めた。
「いかが致しました?」
楽典が振り返り、馬景は筆を置いて彼に言った。
「今日まだ理を見ておらん。
恐らく研究室にいるとは思うが…少し様子を見て来てはくれないか?」
意外な頼みに楽典は目を丸くしていた。
「はぁ…分かりました。では行って参ります。」
楽典はまた同じ礼をして部屋を出る。
「さて、行くとしますか。」
そして、馬理の研究室へ向かい歩きだした。
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