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その拍子に、余りの玉で買ったチョコがポケットから落ち、不意に蹴ってしまい飛んでいった。
彼女はチョコが飛んだ先、ゴミと化した放置自転車の山陰にいた。
じーっとチョコを見ている彼女。危ない目つき。
髪はボサボサで、あちこち汚い。あからさまに、普通じゃない。まんま、浮浪者。
俺が見ているうちは、彼女は少しも動かなかった。
俺が彼女から視線を外すと、チョコを拾う気配がした。
面白がって、急に振り向く俺。
ビクッとする彼女。
捨て猫みたいで、面白かった。
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