寝袋の中で

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家で少年は思い返していた。猫と過ごした日々のことを。   猫は足音だけで少年だと解るようになっていた。少年は嬉しかった。初めはなつく気配すらなかったのに、今では足音だけで自分だと解り。しかも甘えてくれると。   そんな猫が弱ってく姿を見ることになるなんて思いもしなかった。少年の不安は大きくなる一方だった。   …………。 ガサガサと音をたて、夜道を歩く小さな影。 少年だった。猫のいる公園に一人でこんな夜中になにを……??   少年は出来る限りの厚着をして、手には寝袋を持っていた。
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