ただの猫

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ただの猫

朝焼けが目に入る。どうやらぐっすり寝てしまったらしい。猫はこんなにすがすがしい気分は初めてだった。   少年はまだ寝ている。かわいい寝顔だ。 ……。猫は昔を思い出していた。       猫は捨てられた。はじめはみんな可愛がってくれていた。しかし飽きられてしまい続けた。   「だだの猫」そういわれ続けた。はじめはどんなに大事にされてても、半年もしないうちに捨てられた。 だから自分の家は段ボールだった。雨が降ったらぬれて破けてしまうような段ボールだった。
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