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料理教室の仕事は楽しかった
毎回テーマを決めて 新しいメニューを考えるのには頭を悩ませたが
何度もオーナーの自宅に足を運びアドバイスをもらう
それも晶子とオーナーの楽しみの一つになっていた
給料も晶子が恐縮してしまうような額で
生活にも余裕が出来た
週三度の教室に合わせ食材を買い揃えたり、
慣れないパソコンでレシピを書いたパンフレットを作ったり
忙しい毎日だったが
新しい仕事に晶子は夢中で取り組んでいた
夢中で過ごしてきた五年…
ようやく今の仕事も起動にのり
時間の余裕も作れるようになった
思えばこの二十年間
たくさんの人に
たくさんの優しい気持ちをもらったと思う
自分はそんな資格などないのに…
今こうして
生きている事すら、子供達に恥ずかしい
ふと…
窓を見ると空から白い雪が降っていた
晶子はぶるっと体を震わせて
こたつのスイッチを入れた
立ち上がって部屋の電気をつけた
テレビの横の子供達の写真を手にとって
こたつにもう一度潜り込んだ
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