君の一縷 

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「あぐりちゃん、誰か分かってる?」   受付が終わると、シャンパングラスを渡しながら綾さんは聞いてきた。 素直に首を横にふると、「やっぱり!」と手を一つ叩いて笑う。   「秀ちゃんはほんまに変わったからねぇ。秀ちゃん、中辻秀一よ、あの中辻製作所の。」   フルネームで、私はすぐに思い出せた。   「えぇ……? 嘘、だって……」
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