人違いは大概にしましょう

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「…どうした…さっさと立て」 急な私の変化にイラついたのか、男が銃口を頭に押し付けてきた …やばい…殺される…! ・・・もうだめかも・・・ 私は唐突に死を予感した ―――――その時 パン!と破裂音が響き渡り、男の手から拳銃が弾き飛んだ 次の瞬間、私は重力に反し体が浮いたのだ と…飛んだ!? 何時から私は空を飛べる様になったの!? しかし落ち着いて状況を確認すると、誰かに抱えられて…もっと言うと、馬に乗せられているのが分かった 「…大丈夫?」 後ろから落ち着いたお兄さんの声 …良く分からないけど…助かったの…? おずおずとお兄さんにお礼を言うと、笑顔でどういたしまして、と返してくれた その人懐っこい笑みを見ていたら、なんだか安心してきて力が抜けてしまった あれ…力がはいらな… 私はヘナヘナとお兄さんに体重を預ける 「ちょっと大丈夫―――!?」 豊かな草原の真ん中でお兄さんの大絶叫が響き渡ったのだった…
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