人違いは大概にしましょう

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ゆるゆると意識が浮上し、まず最初に自分は横になっているということが分かった 手や足、顔に冷たくて青臭い何かが張り付いている 軽く身じろぎをし、うっすらと目を開く すると、緑色の長い何かが目に入った ・・・なんだろうこれ・・・ ゆっくりと目を完全に開き、ピントを合わせていく 徐々に焦点が定まり、少し長めの草と自分の右手が目に入った ・・・草? 次の瞬間、バサバサバサ…と背後から鳥が羽ばたく音が聴覚をめいいっぱい刺激した その音にビクッと肩を揺らし上半身を起こす そして―――絶句した 今まで私が寝てた所は、先ほど友人と…麻美と待ち合わせにいた公園ではなった それどころか、普段目にしている学校や建物やお店の一軒も見当たらない ただ草や花が所狭しと咲き誇り、緑色のさながら絨毯のごとく広がっているだけだった 「…ここ…どこ・・・?」 目を見開いたままぽつりと呟く とりあえずベタに自分の頬を引っ張り夢かどうか確かめる ・・・痛いという事は現実なのだろうか そういえば、手に当たる草の感触といい…土の冷たさ、風の心地よさ、空の青さもやけにリアルに出来ていて …どうやら、夢ではないご様子… 「…まじ…で…?」
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