プロローグ

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 注文した料理を待つ時間は、簡単な自己紹介と私生活の話(趣味とか好きな物とか)で終わった。  料理が運ばれてきてからは、少し路線変更。大人の会話が始まった。  初体験のこと、一夜限りを経験した時のこと、アブノーマルなプレイに興味があること――エトセトラ。  お付き合いしてる人はなし、欲しいわけでもない。こうして女の子と出会うのは単に楽しみたいからなんだ、と教えてもらった。  『愛の介在を許さないドライな関係』が好きってわけか。ふーん。  安物の皿に乗せられたピザを切り分けながら、このオジサマを選んだのはラッキーだったと再度思った。  本気になられても面倒なだけだし。最初からちゃんと理解している人だから、『失敗』することもないだろう。  上機嫌になって、ピザを頬張る。  その時だった。 「ユカちゃんはこういうこと初めてなんだよね。どうしてサイトに書き込みしたの?」  君みたいな子なら付き合う人いっぱいいるんでしょう、と康司さんはぎこちなく付け足した。  ……まずい。  この人は、私を疑っているんだ。
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