1人が本棚に入れています
本棚に追加
通夜も葬式も行きたくなかった。
私はよくもらい泣きをするので、行ったら絶対泣くと思った。
瑞原は私の為に涙を流してくれたことがあったが、その逆は未だにない、ということだ。
薄情な親友。そんなの親友でも何でもない。
だが、瑞原は私の唯一無二の親友だったし、私は瑞原の唯一無二の親友だった。それは確かなのだ。
瑞原は私を認めてくれたし、私は瑞原を認めてあげた。
瑞原は私を受け止めてくれたし、私は瑞原を受け止めてあげた。
瑞原は私を抱きしめてくれたし、私は瑞原を抱きしめてあげた。
相互関係が成立することで、私達は一緒に居られた。
しかし。
それらは全てマボロシと化した。
最初のコメントを投稿しよう!