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その時ハッと気付く。
周りの景色に目をやる。
紛れもなく、京香の部屋ではない。
全体がクリーム色で左右どこまでも続く空間。
―――ここどこ?
そういえば・・・さっきまで駐車場にいたはずだ。
それで、皆と喧嘩して・・・それで・・・?
「ここは、わかりやすく言うと、生と死の間の世界だ。」
「・・・難しく言うと?」
「・・・死ぬか生きるかの瀬戸際だ。」
・・・ちょっと難しい言葉に変えただけじゃない。
と心の中で悪態をつく。
そしてぶっきらぼうに問う。
「皆はどこ?」
「ああ、生と死の世界についての質問はなしですか。」
と、店長はハァ~とわざとらしくため息ついる。
「お前の仲間達は、お前の決断によって生き死にが決まる。」
「・・・はぁ?何言ってんの。」
相手にしてらんない、と言うと立ち上がる。
「探しに行かなきゃ。」
そう言って左右を見渡す。
―――どっちに行こう。
「右に行ったら待っているのは、死だぞ。」
じゃあ左に・・・
くるっと方向転換した矢先
「左に待っているのもやっぱり死だ。」
「・・・・。」
苛々しながら腕を組み店長を睨む。
「本当のことだ。」
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