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すると暗い“果て”に人影が見えた。
「・・・エリカっ?」
そこに倒れていたのは紛れもなく、エリカだった。
急いで傍に行こうと、駆け出した瞬間、強い力で腕を引かれた。
「最後に、忠告しておく。試練を乗り越えるのは全員揃って、だ。要するに、ライブは全員揃って行え。誰かが試練の途中で死なない限り1人も欠けてはいけない。もし試練の途中で死んだ場合そいつはゲームオーバー。今後試練に参加することはできなくなる。」
「死ぬと・・・どう・・・なるの?」
恐る恐る聞く京香。
「一足先の、死だ。」
ゾクッと背筋が凍るのを覚えた。
「それから。歴史を変えるな。もし佐幕派が勝利するなんてことになったら、たとえ生きて帰れても元の世界には帰れなくなるぞ。差し詰め・・・ちょんまげで刀差した奴らが日本中うろうろしてんのがあたりまえの世界・・・てとこかな。」
クスクス笑いながら言う店長。
・・・笑えないわっ!
と心で泣く京香。
「あとこれ。持って行っていいぞ。」
そういって京香に手渡したのは
どこから出したのか、京香が生前愛用していたアコースティックギターだった。
「これくらいのハンデ、くれてやるよ。」
手渡されされたギターを握り締め、覚悟を決める。
もう、後戻りはできない。
私は進むしかない。
「よしっ!」
気合を入れてエリカのもとへ向かおうとしたとき、
「ちょっと待て。」
再び店長に呼ばれた。
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