生と死の間

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「まだ、何か?」 出鼻を挫かれてばかりの京香。 だんだんと不機嫌にばってくる。 「何か質問があったら心の中で俺を呼べ。気が向いたら出てきてやる。ただし、俺が見えるのはさっきも言ったがお前だけだ。試練のことも仲間達にはお前から伝えるんだ。信じてもらえるといいがな。」 「差し詰め・・・監視ってとこ?」 「半分正解。歴史変えられちゃあ俺クビになっちまうからな。」 ・・・クビになっちまえ。 といいそうになるのを必死に堪える。 「いいか、目が覚めたらまず、“壬生浪士組”を訪ねろ。それで、女中として働かせてくれ、というんだ。それで寝食の問題はない。頃合いを見てお前の残りの仲間を探せ。 心配しなくても京都のどっかにはいる。」 「俺からの説明はここまでだ。何か質問は?無いならとっとといけ。時間がおしてんだよ!」 「じゃあ、一つだけ。どうして幕末なんですか?」 「・・・お前らの前に来た奴らは戦国時代に行かせたんだが、なかなか試練を乗り越えられなくて~。かれこれ30年近く帰ってこねぇんだ。」 面白いだろ?と笑いながら話す店長。 京香はもちろん笑えなかった。 「幕末での1年は“生の世界”の1日だ。だから安心しろ。」 そう言って京香の背中を押す。 「さあ、行って来い。」 なんとも腑に落ちない感じの京香だがとりあえずエリカのもとへ向かった。 .
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