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「素直じゃないね~。」
「ホントホント~。本当は京に行って欲しくないくせにね~?」
ヒソヒソと岳をからかうように話す敦と一輝。
「俺がアイツを引き止める理由がどこにある。」
青筋を立てて二人に詰め寄る岳。
「自覚してるくせに。」
「好きなくせに。」
壁に追い詰められた2人はめげずに反論する。
「なっなんで!!///」
「リーダー、耳まで真っ赤。」
3人の様子にため息をつきながらも微笑むエリカ。
そして
「私も帰ろうかな。」
そう言ってエリカも腰を上げる。
「じゃあ俺も。」
そう言ってエリカについて行こうとするのは岳と睨みあっていた一輝。
こういった行動から彼がエリカを好きなのは誰から見てもわかる。
「だ~め~だ。お前まだ3曲目のスコア、ちゃんと覚えてねぇだろうが。」
ガシっと岳に肩を掴まれもはや逃げられない。
「カズくんは今日残って練習していくそうです。」
コソっとエリカに耳打ちする淳。
「そっか。皆熱心だなあ。私もちゃんと家で練習しなきゃね。うん。」
と、鈍感なエリカはそんな一輝の気持ちに全く気づかない。
「じゃあ皆頑張ってね!お疲れさま~!」
そう言って足早に部室を去っていった。
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