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眼を閉じる。
ちぎれた右の羽が、
血を流して、泣いている。
痛い、痛いと、
…叫んでいる。
闇でもがく姿が
ぶれる度、
ここはリアルなのだと、
自覚する。
嘆いているだけの私は、
これから…。
それでも。
自分に負けたくない。
中途半端な闇の中。
流れる音楽に
心を委ねる。
誰を責めても、
始まらない。
なのに、私は。
ちぎれたのは、
理想を信じてた、
無垢な私の一部。
心を信じてた、
儚く、甘い、夢物語。
砕けたガラクタ。
残るのは、抜け殻。
片翼では
上手く飛んでいけない。
わかっている。
それでも。
上手く飛べなくても
構わない。
これからは、
自分の足で歩いていくから。
取り戻したいものが、
光を放つから。
どうあがいても、
私は私でしかないから。
それで、いいから。
それが、いいから。
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