会社員 (27)

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冷蔵庫から取り出すのはキンキンに冷えた缶ビール。まだ水気を帯びる少し伸びた髪の毛をタオルで拭きながら、部屋の電気をつけた 『ぱぁ!!』 電気が光ると同時に聞こえたその声 『さっき飲んだのに、また飲むの~?体に体に悪い悪い!』 歌うように響くその声は、間違いなく空耳じゃない。 本当に幼い声で、まだ言葉を覚えて間もないような口調だ。 自分の部屋なのに、怖くなる。あたりをキョロキョロ見回してみるが、そこにあるのはいつもと同じ自分の部屋。 そんな自分がバカらしいが、今はそんなことを考えている余裕などない しかし、その声の主を新吾の視線が捕らえる前に、また主は歌うように声をだす 『キョロキョロ、キョロキョロ、キョロロロ~』 『は?』 ようやく見つけた“それ”は、新吾が1人暮らしを始めてから買った小さなテーブルの上にいた。 .
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