3人が本棚に入れています
本棚に追加
『見~つけたたた!!』
『な…?』
ようやく見つけた声の主。
それは子供なんかではない。俺の握り拳くらいの大きさくらいしかない、小さな小さな………、どう説明しようか──。
丸くて、白くて、その体のてっぺんには、小指の爪くらいの長さの角か?触角なのか………。が生えている
『だ、な、や、お前…何だ?!』
言葉が出てこない。
こんなに驚いたのは、頭の禿かかった俺の嫌みったらしい上司に、妻子がいるのを聞いた時ぶりくらいだ。
『だ、な、や、お前…何だ?!お前…何だ!?フフフ』
さっきから俺の言葉を繰り返すこのちっこいのは、狭いテーブルの上をその柔らかそうな白い小さな体で、コロコロと回り始める。
放心状態が解けない俺は、そのちっこいのがクルクルしているのを、その場に突っ立ったまま、髪の毛から雫が零れるのも止めないまま、見続けるしかなかった
.
最初のコメントを投稿しよう!