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『お前…なんなんだよ』
俺は我慢できずに、いまだにキョトンとしているこのちっこいのに聞いた
しばらく見つめ合ってみたが、いくら待っても、なんの変化もない。俺が酔っているのだとしたら、もうそれはそれでいい。
この幻覚にとことん付き合ってやろうとも思う
『ボクはなんでもななない』
『じゃあ、お前は…ちっこいの、でいいか』
『ちっこいの~ののの』
あまりにも適当なこの名前を、ちっこいのは気に入ってしまったらしい
また、ピョコピョコと跳ねたりコロコロ前転しながら、俺の小さなテーブルの上を自由に動き回る。
見てるこっちの目が回りそうなくらいだ。
さっき冷蔵庫から出してきて、キンキンに冷えていたはずのビールの缶には、もうたくさんの水滴がついてしまっていた。
だが、今はそれもどうでもいいことだ
『なぁ…ちっこいの。お前は一体』
『ふわわわ~』
『え?』
それは多分、ちっこいのの欠伸だったんだと思う。
『ねむむむむ~』
ほら、多分コイツは眠いって言いたいんだろ?
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