捧げる祈りに癒しの光を

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 やはり何か言いたげな様子の少年を見て、タツキは少し考える素振りを見せてからフローラを向いた。 「フローラちゃん、わりい、先行ってて」 「あ……うん」  フローラ自身も当然気にはなっていたのだが、隊長にそう言われては致し方ないので、時折ウィルを心配そうに振り返りながらも部屋の中へ駆け込んだ。  タツキはそれを見送ってから、改めてウィルを眺める。彼の目線に合わせて腰を落とし、少々乱暴ではあったが続きを促した。 「なんだよ」 「……あのね。ぼく、ずっと好きじゃなかった。隊長さんの事」  ウィルは振り返ったが、顔だけは逸らしたままだった。一度不安げな表情でタツキに視線をやった彼だったが、本人が『いいから続けろ』とでも言いたげな顔をしていたので思い切ったように息を吸う。 「怖かったんだよ、ほんとは。フィルはすぐなじんだみたいだったけど、ぼくはずっと怖かった。だって隊長さん、軽そうだし不良みたいだし。でも、ぼくはお兄さんだから。フィルの前でわがままなんか言えないし、カッコ悪いとこ見せられなくて、我慢してた」 「はーん。それで弟と一緒に寄って来なかったワケか」 「……ごめんなさい」
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