辿り着いた、その先に

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 タツキはそこまで言い切ると、一人後ろ手に扉を開け、中に入る。その際、扉は敢えて閉めなかった。  中で眠るツカサのそばに腰掛け、彼の様子を見ていたクリアがびくんと肩を震わせる。だが、入ってきたのがタツキと解ると、彼女は心底安心したように顔を綻ばせた。 「どうしたの? この子ならまだ起きないけど、フローラさんが診てくれたから体調は大丈夫そう――」  タツキは明るく声を弾ませる彼女に無言でつかつかと歩み寄ると、その手を掴み、片手だけで持ち上げるように立たせた。かなり強引に手を取られ、クリアは頬を染めつつ、彼を見上げて首を傾げる。 「た、たっくん……?」 「ちょっと来い」  そのまま彼は、また強引に彼女の手を引いて部屋を出ると、リュウの姿をしたシリウスの前に立たせて手を離した。クリアはにわかに混乱した様子で、片手を胸の前に置きながら、タツキとシリウスとを交互に眺める。彼女のきれいな顔に浮かぶのは純粋な疑問の色だけで、確かにそこには、恐怖など微塵もなさそうだった。  クリアの瞳が、詳細の説明を求めている事は解っていた。だがタツキは敢えて彼女を無視し、シリウスだけをまっすぐ見る。
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